蒟蒻芋の文化を絶やさないために、
大島屋では地元の蒟蒻芋を生産している農家さん、高校生たちと一緒に
生芋蒟蒻を使った商品づくりに取り組んでいます。
蒟蒻芋の文化を絶やさないために、
大島屋では地元の蒟蒻芋を生産している
農家さん、高校生たちと一緒に
生芋蒟蒻を使った商品づくりに
取り組んでいます。
片野盛好さんに聞く
17歳からずっと今ままで蒟蒻芋を作っているからもう60年以上になるかな。私で蒟蒻芋作りは3代目だよ。かつて矢祭町は在来種の蒟蒻芋づくりが盛んで日本一の生産量だった。蒟蒻芋は植え付けから3年後にやっと収穫して乾燥させて粉にして出荷する。しかも病気に弱いから手間と年月をかけて育てるんだけど、だから高値で取引がされていたんだ。蒟蒻の収入がいいもんだから立派な家が立った。これを「蒟蒻御殿」と呼んだもんだ。だからみんな米や野菜なんて作らない(笑)。豊作を願って資金を募り畑の裏山に蒟蒻神社を祀った。毎年綺麗に掃除をして豊作を願う祭りをしたんだよ。
在来種の蒟蒻芋は悪くなるのが早いから、ほとんどの芋は乾燥させて荒く砕いて「荒粉」にして売っていた。この粉を蒟蒻屋が買い取って蒟蒻にしていた。生芋から蒟蒻を作るのなんて産地でしかできないよ、だから生芋蒟蒻なんてヨソから見たら贅沢品。正直、粉から作る蒟蒻より生芋の方がうまいもんね!この辺り(矢祭町)の歴史として掛け軸が残っているよ。懐かしいな〜、俺らもこのやり方でやってたんだもん。
ところが昭和55年頃かな、病気に強く生育の早い新種の芋が群馬県で開発されて以来、早くて安定供給ができる新種に人気が出てしまった。あっという間に生産は群馬県に抜かれ、手がかかる上に売れなくなった在来種は生産者が激減してしまい、今では数軒の農家が文化を絶やさない程度に作ってるんだ。そうしたら何だか若い人から在来種の蒟蒻芋を買わせてくれないかって電話があってね。それが大島屋さんだった。うちは文化を守る目的で蒟蒻芋を作っているだけだったし、他の野菜を作っている畑の隅で生育していることもあって最初は断った。それに安く買い取られて粗末に扱われるんじゃないかっていう不安もあったからね。
ところが大島屋さんはとにかく熱心でね。植え付けの時も一緒に植えたいといって畑にきてくれて本当に一緒に植えたし、矢祭町の祭りにも参加してくれたり、一緒に酒を飲んで「在来種の生芋で僕たちが蒟蒻を作って売るから、そしたらもっと生産量も増えるでしょ、だから買わせてくれ」って熱く語るもんだから心を動かされた。この人たちになら矢祭町の在来種蒟蒻芋を託してもいいなって思ったね。大島屋さんが面倒みてくれるなら、若い人が蒟蒻芋の生産者として継いでくれるかもしれないでしょ。大島屋さんと一緒に、もう一度この里が蒟蒻芋の産地として復活すればいいなって思うね。
白河実業高校 八島 和則 先生
白河実業高校農業科は、草花・果実・作物・畜産・野菜など広く基本的な学習をしています。その一貫として、この土地ならではの作物をカリキュラムに取り入れてはどうか?という思いから、生芋蒟蒻の生育を行なっていました。生芋蒟蒻の栽培を通して特性や栽培方法について学び、また、収穫した蒟蒻を加工するなど活用方法についても教えています。農業は人の生命を支えるなくてはならない大事な産業のひとつです。生徒たちには、まずは、農業を学ぶことに誇りをもち、農業を通して様々な体験を積んで欲しいと思っています。特に、こんにゃくは教材として数多くの可能性を持っており、白河を代表する特産品として他の産地にも負けなぐらい、県内をはじめ全国に普及できるよう活動を続けて行きたいと考えています。
大島屋さんとの出会いは、平成28年の11月頃だったと思います。学校のHPをご覧になり、「生徒たちが育てた生芋で一緒に何かできないか」と直接お電話をいただきました。買い取りもご提案いただいた時に、驚きと同時に本当に買っていただけるならありがたい思いました。教材として10数年前から蒟蒻の栽培をしておりましたが、販売する量は毎年ごくわずかです。なので、学校では蒟蒻の栽培はできても加工・販売することはできません。授業の中で体験的に蒟蒻作りはしていましたが、大島屋さんと連携することで、立派な商品としての蒟蒻を世に出すことができ、私も生徒たちも感激しています。 また、昨年は、文化祭の模擬店での蒟蒻販売や学校で開講している一般の方を対象とした「ふれあいの農園」の講師としても蒟蒻作りを指導していただきました。
白河実業高校の生芋蒟蒻/板こんにゃく
白河実業高校の生芋蒟蒻/
板こんにゃく
白河実業高校 農業科の生徒さん達が
大切に育てた生蒟蒻芋を買い取り
秋〜冬のみ、期間限定・数量限定で製造販売しております。
※限られたショップでのみ取り扱っておりますが
ご希望の方は一度お問い合わせいただければと思います。
なお、数量限定につき品切れの際はご了承ください。
原材料:白河実業高校 農業科が育てた蒟蒻生芋
内容量:210g
アク抜き不要